アルツハイマー病では、脳の中にアミロイドβと呼ばれるタンパク質のかたまりが蓄積し、脳細胞の働きが悪くなります。その結果、脳細胞の数が減少し、脳の萎縮が進んでいきます。アミロイドβは、物忘れが出現する10~20年以上前から、脳の中に蓄積し始めています。
アルツハイマー型認知症の一歩手前の段階を軽度認知障害(MCI)と呼びます。物忘れや、記憶力の低下が目立ちますが、日常生活には支障がありません。
軽度認知障害(MCI)とアルツハイマー型認知症を比較すると、「自立した日常生活を送れるかどうか」が大きな違いです。軽度認知障害(MCI)の段階では、認知機能の低下はありますが日常生活への支障はなく、お一人でも日常生活を送ることができます。しかしアルツハイマー型認知症に進行すると、家事や金銭管理などに支障をきたし、家族や周囲の方からの支援がなければ日常生活が困難となります。
医師による問診を行い、改訂長谷川式簡易知能評価スケールなどの認知機能検査により記憶力などを評価します。アルツハイマー病など認知症が疑われる場合は、CTやMRIなどの頭部画像検査や、血液検査を実施し、認知症の原因を調べます。
コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル等)やNMDA受容体拮抗薬(メマンチン)が用いられます。コリンエステラーゼ阻害薬を使用する場合は吐き気・下痢・食欲不振といった消化器系の副作用に注意が必要です。また、メマンチンを使用する場合は、めまいやふらつきといった神経系の副作用に注意が必要です。
抗アミロイドβ抗体療法(レカネマブ)などの点滴治療も注目されています。
生活環境の整備、介護者支援なども重要になります。
幻覚、妄想、興奮、徘徊、不眠といった症状が現れることがあり、これらは「認知症の行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれます。これらの症状が強い場合、ご家族の介護負担も大きく、入院が必要となることもあります。
アルツハイマー病が進行し、在宅や施設での介護が難しくなった場合は、当院に入院して治療と介護支援を行うことが可能です。ご家族様お一人で悩まず当院までお気軽にお電話ください。
アルツハイマー病や認知症に関しては、ご家族さまが一人で悩まず、医療機関や専門職と連携しながら、本人とともによりよい暮らしを作っていくことが大切です。田村病院では、診断・治療・入院まで一貫してサポートいたします。
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