レビー小体型認知症の診察・物忘れ外来・入院

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、脳にレビー小体という異常なたんぱく質が蓄積することで発症する認知症す。幻視や注意力の変動、パーキンソン症状、睡眠時の異常行動など多彩な症状が特徴です。

主な症状

認知機能の変動(注意力や理解力が日によって大きく変わる)、実際には存在しない人や動物が見える「幻視」、動作の遅れや手足の震えなどのパーキンソン症状、睡眠中に叫んだり暴れたりするレム睡眠行動障害があります。また、自律神経の働きにも影響を及ぼし、立ちくらみ、便秘、尿失禁などの症状も見られるのが特徴です。

診断方法

改訂長谷川式簡易知能評価スケールなどの認知機能検査を実施するだけでなく、パーキンソン症状や幻視、認知機能の変動、睡眠中の異常行動などの症状の有無を診察時に評価します。またドパミントランスポーターシンチグラフィなどの画像検査が特徴的な所見を示すことがあり、診断の助けになります。

レビー小体型認知症の治療

多彩な症状に対応するため、薬の選択と用量調整が重要となります。また、家族へのサポートや介護体制の整備も治療の一環として重要です。

認知機能障害

アルツハイマー型認知症と同様にコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジルなど)が使用されます。

パーキンソン病症状

レボドパ製剤などの抗パーキンソン病薬が用いられますが、副作用として幻覚の悪化など精神症状に注意が必要です。

精神症状(幻視や妄想)

クエチアピンなどの非定型抗精神病薬が用いられることがありますが、薬剤への感受性が高いため慎重に使用します。

レム睡眠行動異常症

クロナゼパムやラメルテオンなどの薬を使用します。

アルツハイマー病との違い

レビー小体型認知症とアルツハイマー病はいずれも代表的な認知症ですが、症状の現れ方や進行の仕方に違いがあります。以下に主な相違点をまとめています。

項目 レビー小体型認知症 アルツハイマー病
初期症状 幻視、認知の変動、パーキンソン症状 記憶障害(もの忘れ)が目立つ
認知機能の変動 日内・日間で大きく変動する 緩やかに進行し、変動は少ない
幻視 初期から頻繁に現れる 末期になって現れることが多い
パーキンソン症状 ふるえや筋固縮などが見られる 通常はほとんど見られない
睡眠障害 レム睡眠行動障害が多く見られる あまり見られない
自律神経症状 起立性低血圧、便秘、尿失禁など 目立つ症状は少ない

入院・介護サポートについて

認知症が進行し、自宅や施設での介護が難しくなった場合は、田村病院での入院治療をご相談ください。専門スタッフによる医療・介護・福祉支援を行っております。

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医師からのメッセージ

認知症に関しては、ご家族さまが一人で悩まず、医療機関や専門職と連携しながら、本人とともによりよい暮らしを作っていくことが大切です。田村病院では、診断・治療・入院まで一貫してサポートいたします。

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